現象の奥へ

『小説作法ABC (新潮選書)』──著者も森博嗣『職業としての小説家』を読んだ方がいい(笑)(★)

『小説作法ABC (新潮選書)』(島田雅彦著、2009/3/1、新潮社)

このほど、「公募ガイド」で講座を持つことになった、島田雅彦氏の10年前の「指南書」であり、ほぼ、法政大学の講義録のようである。まず、新潮社というのが、おおかたコネで著者を見つけている。その最悪の結果が、『新潮45』事件である。しかしそんなことも忘れきっているかのような新潮社である。北村薫の「指南書」も同じ新潮選書で、こちらも「公募ガイド」で2019年12月号で「宣伝」。早稲田大学での講義がもとになっている、11年前の刊行である。こうして、10年前の本を、まるで近刊のように「宣伝」している「公募ガイド」もどうかと思うが、いずれ「落ち目の作家」の行き着く先か(笑)。
 内容は、外国の作家、学者の、パクリである。こんな不完全な本を読むくらいなら、デイヴィッド・ロッジ『小説の技巧』を読んだ方が、1000倍は力も情報もつくと思うし、「稼げる小説」なら、億を稼いでいる、森博嗣『職業としての小説家』の方がためになるのでは?



 

小説作法ABC (新潮選書)

小説作法ABC (新潮選書)