現象の奥へ

【詩】「荒川洋治」

荒川洋治

 

荒川洋治」なんて字を見ても、

もうなにも心は動かない。それがなにか文章の作者だとしても、その文章を読みたいとは思わない。

鎌倉時代癩病施設に関して書かれた「詩のようなもの」は読んだ。

「詩のようなもの」というのは、本人が「詩人」ではなく、「現代詩作者」と自称しているからだ。

つまり、詩人とは思われたくない、いっしょにしてほしくない、

という気持ちの表れか?

それはわからない。しかし、「現代詩」を作っているということを

自称したい。たとえ、それが生計を支える「職業」でなくても。

「現代詩」というのは、「現代」の日本人のねつ造である。

まー、そういう名前を冠したザッシを出している出版社とか、

そういう人々が作ったのか。

外国語を読めない、原書に触れられない人々を相手に、

知識人が外国詩人をパクった、それが、「現代詩」をめぐる面々だ。

世の中には「詩」があるだけだ。

そうして、荒川洋治は、そういう詩人たちと一線を画しながら、その出版社が出している賞はもらってしまった(笑)。







 

 

【ソシュールより始めよ】

ソシュールより始めよ】

 

知られているように、フェルディナン・ドゥ・ソシュールには著書がない。死後流通している著書は、彼の生徒のノートから成り、それらのノートは幾人かのもので、なかでもいちばん詳細で厳密なノートが中心となり、他のもので補われている。

ソシュールの考えの核は、だいたい理解されており、それは、言葉(ラング)にはいくつかの「面」があるということだ。「音」を中心に考えれば、シニフィアンとなり、「意味」を中心に考えればシニフィエとなる。そして、それらは、空海フロイトなどとつながっていく。ゆえに、ソシュールなくしては、空海の研究も無意味なのであり、また、精神分析も、言葉によって行われるので、厳密に言葉(ラングとパロール)の研究なくしては、意味をなさない。フロイトなどの解説本を読んだだけで、フロイトについてなにか知った気になり、大いばりで解説しているバカを見かけるが、さあ、どーしたものでしょう。言語が違えば、見た夢の解説の意味も違ってくる。これに気づいたのは、ビンズワンガーである。そして、私は、もしかして、数学の超難解な「問題」と言われる「ABC予想」は、ソシュールの言葉に対する理論と似ているのではないか、と漠然と想像した。

 




【ソシュールより始めよ】

ソシュールより始めよ】

 

知られているように、フェルディナン・ドゥ・ソシュールには著書がない。死後流通している著書は、彼の生徒のノートから成り、それらのノートは幾人かのもので、なかでもいちばん詳細で厳密なノートが中心となり、他のもので補われている。

ソシュールの考えの核は、だいたい理解されており、それは、言葉(ラング)にはいくつかの「面」があるということだ。「音」を中心に考えれば、シニフィアンとなり、「意味」を中心に考えればシニフィエとなる。そして、それらは、空海フロイトなどとつながっていく。ゆえに、ソシュールなくしては、空海の研究も無意味なのであり、また、精神分析も、言葉によって行われるので、厳密に言葉(ラングとパロール)の研究なくしては、意味をなさない。フロイトなどの解説本を読んだだけで、フロイトについてなにか知った気になり、大いばりで解説しているバカを見かけるが、さあ、どーしたものでしょう。言語が違えば、見た夢の解説の意味も違ってくる。これに気づいたのは、ビンズワンガーである。そして、私は、もしかして、数学の超難解な「問題」と言われる「ABC予想」は、ソシュールの言葉に対する理論と似ているのではないか、と漠然と想像した。




最果タヒ詩集『さっきまでは薔薇だったぼく』──将棋で言えば藤井聡太

最果タヒ詩集『さっきまでは薔薇だったぼく』──将棋で言えば藤井聡太小学館、2022年4月13日刊)

 

ついに詩集が、小学館から出た! 日本で唯一、メジャーデビューした詩人。有名詩人も、有名な文筆家も、自費出版をしているような詩の出版社なら、「企画モノ」で、人寄せパンダ的な意味合いで出してくれるだろう。しかい、小学館はそれほど甘くはないので、ビジネスとして通用するから出すのだろう。大手なので、値段は1200円(+税)、これなら若者でも買える。薄くて小さな本で、どこへでも持って行けるし、デザインも洗練されている。ぱっと見、「薔薇」と納得してしまうが、よく見れば、薔薇なんてどこにもない、抽象画である。最果タヒの詩集にはぴったりである。そして、彼女(?「生理詩」というものも書いているが、まだ疑っている(笑)私である)。しかし、この詩人について、頭の固い、ほとんどの年寄り詩人は、おもては媚びながら、内心あれこれ思うだろうが、この詩人は、日本で唯一の「大御所」である。あとは、りっぱな詩集を出し、賞を取ったり、エバったりして、大御所のふりをしているのである。そして「現代詩」を作り上げてきた出版社と「エバった年寄り」、そういう時代はついに終わった。

 詩は詩でしかなく、論理とリズムがあるだけである。比喩でさえない。

 薔薇というテーマも、伝統的なテーマである。エドモンド・スペンサーの「薔薇のうた」をはじめ、多くの詩人が書いている。それぞれの時代の、それぞれの感性で。最果タヒは、決して紋切り型表現、論理を使わない。なぜなら、心で書いているから。

 







【詩】「お気に召すまま」

「お気に召すまま」

 

お気に召すまま、泣かせてね。

ぬあんて歌ってた日々がなつかしい。

ひとりの名前はじゅん、もうひとりはねね。

ボードレールマラルメも、さいはてたひも

知らない。ごめんねごめんね、ひまわりさん

いまは戦車で踏み潰されて、

マルチェロさまもあの世をさまよっている。そう、

マルチェロのいない世界なんてもうどーでもよかった。

女の名前が思い出せない、口の大きな女優で。

イヴ・モンタンはイタリアの沖仲仕。でも、フランスで、

俳優になっちゃった。

お気に召すまま泣かせてね、そのあと、すきだといってよね。

ジェイクイーズのふさぎ虫、山崎某が演じてた、そのあとの名前も

忘れちゃった。

ひとは見た目が九割、プーチン習近平金正日



【なぜ戦争をするのか?】

【なぜ戦争をするのか?】
 
ひとはなぜ戦争をするのか。べつにフロイトが、心理的にあれこれ考えても意味がない(笑)。心理や人格で片付く問題ではない。
大昔から同じ理由による。物資調達である。トロイア戦争の起こりは、ホメロスが、「イリアス」や「オデュッセイア」を「作る」千年ぐらい前の「できごと」であるが、ギリシアの美女ヘレネを、トロイアの王子パリスにさらわれた(相思相愛であったようだが)を奪回するため、ヘレネのファンクラブのような、ギリシアの島々の男たちが立ち上がった、ということになっているが、実際は、食料、奴隷などの調達であった。
ひるがえって(ひるがえりすぎだが)さきの(この表現も適切かどうか(笑))太平洋戦争はなぜ起こったかと言えば、石炭(エネルギー)の調達のため、南方の中国に目をつけて攻めようとしたが、アメリカからも見捨てられた。それで、「しかたなく」中国を攻めることになったが、どーしよう?と軍部(含む東条英機)が侃々諤々やっているうち、べつに今でもなくても明日考えようと、決断を先延ばしにしている間に、状況は切羽つまってきて、あの東条英機でさえ、「負けるとわかっていた」戦争を始めざるを得なくなっていた……。これは、NHKの十年前のドキュメンタリー(例の松平なんたらが司会をしていた)を、さらに凝縮したものをやっていたからわかったのだが。真珠湾の奇襲も、世界では卑怯な侵入みたいに思われているが、CIAが仕向けたという説がある。というか、すでにアメリカ上層部はわかっていた。
しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領が、アメリカ議会でテレで演説した時、「ロシアの侵攻と真珠湾を同等に扱う発言があった」が、誰も問題にしていないようであった。
まー、そういうわけで、戦争を行う理由は単純なものであるが、人々はそれぞれの立場から、いろいろいいわけを作り、それに尾ひれが無限大についていき、そのうち、どの情報かわからなくなって、気がついたら、おおぜいの人が死んでいた、となる。
しかし、こんにち、大勢殺すためには、一人一人を殺害する銃などの武器ではなく、村や街を広範囲で焼き払う、ミサイル搭載可能の戦闘機、ということになる。さあ、これは誰が売って、誰が買うんでしょう? プーチンのおじさん!
 
 
 

 

【アメリカでは大統領より議会の方が権限を持つ】

アメリカでは大統領より議会の方が権限を持つ】

戦争における有効的な武器とは、「いまでは」、戦闘機ですが、どこの「製品」であるかは、衛星画像を分析すればすぐわかることで、さっきNHKでやっていた、「忘れられた戦場」の、ミヤンマーの村では、ウクライナとまったく同じことが起きています。すなわち「軍による一般人」の虐殺で、はじめは、軍関係(ミヤンマーの場合は、抵抗軍=一般人の若者など)だけに限られていたのが、効率化などを考え、抵抗するものは潰せ! で、一般人、それも子供なども、かまわず殺されています。抵抗軍は、車などを使って逃げますが、追うのは戦闘機で、橋を燃やしても効果はありません。その戦闘機の画像を分析すると、ロシア製、中国製です。つまり、ロシアと中国が、内戦の国の政府軍に武器を売っているのです。はたして、アメリカ製の武器はどこで使われているのでしょう? 
「昨今」。大きな誤解があると思いますが、大統領といっても、ロシアの大統領とアメリカの大統領では、権限がまったく違います。政治システムも、違います。旧左翼思想のひとや、そういうのに従っていれば、自分が正義のひとと思われるのか、やたらと正義を振りかざして平等思想のふりをしますが、アメリカでは大統領より議会の方が力を持っていて、議会は、それぞれ関係するロビイストに支持を仰いでいるので、プーチンにように、大統領の一存では何もできないのです。無教養で見栄っ張りの、某女性詩人が、「バイデン大統領は就任のとき、聖書に手を置いて誓ったのに、イラクに侵攻した」などと書き、多くのバカが「いいね!」してましたが、こういうのは、無知の丸出しなので、恥を知ってほしいと思います。まず、上記のような大統領の権限があり、イラクフセイン政権のとき、大量破壊兵器が存在するとの疑いからイラク侵攻したのは、ブッシュ政権の時であり、結果、大量兵器はなかったので、当時の国防長官は、大いに陳謝し、「人生最大の恥」とまで記しています。また、聖書に手をおいて誓ったといいますが、いったい何を誓ったのでしょうか? そして、キリスト教は、戦争をしない誰も殺戮しない、そういう歴史と思想を持つ宗教なんでしょうか?……ということで、まー、こんな状態になってしまうと、ふだんは何も考えてこなかったバカが正義の味方のふりをして気取ってみせたりもするのだな〜(笑)。そのなかには、なにも無名詩人ばかりでなく、平野とかいう「有名作家」も入ってますが。はい、私は、とうの昔に「FB友」を切ってますが(笑)。