現象の奥へ

【詩】「あるいは猿蓑」

「あるいは猿蓑」

斜めに見上げれば
音綴が降るヴェルレーヌ
けれど意味までは至らず
この深みはどこから来るのか
悲しみの破片すらはせをには
許されず乞食のように
何かを乞う天使はまだ
眠っている幻住庵に
脚をそろえ定型を作れば
許される/さまよう
思い出すことは死を認めることであり
時間の短さ/長さに
半過去は猿に取られて
蓑を解く