現象の奥へ

【詩】「ボルヘスにささぐ」

ボルヘスにささぐ」

美から身を護るべく
避けて通る道に雪が降りくれば
隠された花となって
ひとの心を集めてゆく
山、森、里、そして
脳裏。本を作ろうとして
紙を集めて墨を擦れば
ことばは消えて
ただ凍る水のあるのみ

大空の月のひかりに清ければ影見し水ぞまづこほりける よみ人しらず

これぞ詩人の本望なり
ボルヘスにささぐ
そしてKは
城をあおぐ