ウラジミール・ナボコフの『ロリータ』は、日本でいえば、二見書房のようなポルノの出版社から出たが、きわめて文学的な作品である。いまそれを、ジェレミー・アイアンズの朗読(オーディオブック)で聴いている。彼のかすれた声、俳優として、とてもいい声とは言えない声が、『ロリータ』のテキストを読んでいく。それは、想像するような、官能的文体でも雰囲気でもない。不思議に、テクスト性が浮かび上がってくるのである。
ウラジミール・ナボコフの『ロリータ』は、日本でいえば、二見書房のようなポルノの出版社から出たが、きわめて文学的な作品である。いまそれを、ジェレミー・アイアンズの朗読(オーディオブック)で聴いている。彼のかすれた声、俳優として、とてもいい声とは言えない声が、『ロリータ』のテキストを読んでいく。それは、想像するような、官能的文体でも雰囲気でもない。不思議に、テクスト性が浮かび上がってくるのである。