現象の奥へ

【詩】「Noche oscura del alma (魂の暗い夜)」

「Noche oscura del alma (魂の暗い夜)」

For me, it's best
と彼は姿むくつけき貝を指して言った。
名前は知らないが、北極海で採れた貝
新鮮な貝
味わってみれば小味で深いうまみのある貝
一見居酒屋風ながら内実は
それなりの価格のレストランであった
詩は翻訳不可能だという偏見が横行している
だが、ジェフリー・チョーサーは偉大なる翻訳家でしかも翻訳による詩をうち立てた
北スペインの夜だ
もうアンダルシアは通り過ぎてしまった。
その後、彼は婚約した。
結構な化粧の美しい女性の手を取り
スターがよくやるように
婚約指輪を見せつけて写真を撮っていた
もはやつたない英語を使うこともあるまい
彼はこの貝の味を翻訳したのだった
私は道路を時速150キロで走ったことだけを思い出す。

*Noche oscura del alma

En una noche oscura
con ansias en amores inflamada

(暗い夜に、恋しさに身を焦がしながら)


*サン・ファン・デ・ラ=クルスの詩句


f:id:palaceatene:20200221053256j:plain