現象の奥へ

【Amazonレビュー】『「不思議の国のアリス」を英語で読む (ちくま学芸文庫) 文庫』──ペンギンブックスの「アリス」を辞書を引きながら読んだ方がはるかに勉強になる(★)

『「不思議の国のアリス」を英語で読む (ちくま学芸文庫) 文庫』( 別宮 貞徳 (著) 、 2004年8月10日、(筑摩書房刊)

 著者は、ほかの翻訳者の「誤訳指摘」をしているそうだが、読者が指摘するならともかく、こうした態度は、翻訳者としてマナー違反。ま、それはそれとして、それだけの内容とレベルの高さがあるかどうかといえば、中学か高校?の、テキスト的説明の域を出ていない「説明」にあんぐり。「翻訳はこんなに面白い」としながら、肝心な箇所は訳していない。私が、ペンギンブックスの「アリス」と付き合わせて読んだところ、文学的な醍醐味が本書には、全然ないのに唖然。この著者の文法、言葉の背景の説明は、一般の英和辞典に出ている程度のもの。だいたい、エラソーな態度、物言いの人は、自らの程度の低さを露呈している場合が多い。出版社のレベルを下げる本のひとつ。絶版にすべき。