現象の奥へ

『コンテイジョン』──ウイルスとデマとインターネット(★★★★★)

コンテイジョン』 (スティーヴン・ソダーバーグ監督、2011年、原題『CONTAGION』)

 8年前にリアルで観たが、つい、この映画が頭に浮かび、当時はレビューを書いていなかったが、レビューを書きにやってきた(笑)。まさに、2020年3月の状況とそっくりであり、その「火元」も、キャリア・ウーマンのグウィネス・パルトローが出張した香港の、中華レストランであった。そこの料理長が、自慢の料理を出し、重要なお客様へのごあいさつに登場し、わざわざアメリカから起こしの、パルトローさまと、「握手を交わす」(ぴーぴー、濃厚接触ねー)。
 で、帰国したパルトローが発熱、咳……で、病院では、「頭まで切開される」(笑ってはいけないが、笑いたくなるシーンであった)。そしてすぐに「消える」(笑ってはいけないが、笑いたくなる)。たしか、この伝染病を気丈にしきっていた、ケイト・ウィンスレットも最後に死ぬ(笑ってはいけないが、笑いたくなる)。
 8年前だが、ネットはもう世界中に広まっていて、ジュード・ローは、ジャーナリストとはいうものの、「ブロッガー」だ(禿げは隠していない(笑))。この時期に、ブログは力を発揮していく。……てなてなもんで、ソダーバーグはやはり進んでいた!という映画である。進みすぎていたせいか、彼の作品の評価は、Yahoo!レビューでは、いまいちである。フィルモグラフィーを見れば、並みの監督とはココロザシの高さが違う、まさに「作家性」のあるcinéast(ちょいとおフランス語で言ってみよーかね〜(笑))であることがわかる。

 ひぁ〜、映画って、ほっとに、恐いですね。そいじゃ、サイナラ、サイナラ、サイナラ@涅槃にて待つ。

 ウイルスって、やっぱ進化するんですね。あなどれません。狙い撃ちする人間臓器に寄生して増殖する、生物と無生物の中間とされています。

 状況的によく比較に出されるペストは、ペスト菌という細菌によるものです。ウイルスは普通の光学顕微鏡では見えません。電子顕微鏡をご用意ください。

 題名の、コンテイジョン(CONTAGION)は、まさに、「接触伝染」。