2020-07-15 【詩】「創世」 詩 「創世」 脚に刺さる棘のような草の生い茂る沼に舟を漕ぎいれ 泥に足を入れるは、 おのれを火とも知らぬ火 と書いたは、ボルヘス 詩人は曲線の美しさを教え ウイルスはRNAの曲線を学ぶ すべて 宇宙のはじまりの日 いまだ この宇宙は誰かの網膜の残像でしかなく 高島野十郎が千葉の原始を喜ぶアトリエで 最後の蝋燭の光輪を書き終える のを待つしかない のか。