現象の奥へ

【詩】「篝火(かがりび)」

「篝火(かがりび)」

 

"They burn, these flares and my heart, and send off smoke. The smoke from my heart refuses to be dispersed.

 

サイデンステッカーは会話にするしかなかった。以下の歌を、

 

 篝火にたちそふ恋のけぶりこそ世にはたえせぬほのをなりけれ

 

わたしは若い男と朝のベッドにいて、その男が持ってきたサイデンステッカー訳の「源氏」の、その箇所を開いて、欲情をさらに燃やすのだった、ジョイスなら、

 

Mild morning air と記すだろう。

 

若い男の張り切ったピーチのような頬

澄み切ったメロンのような眼

オレンジのようにジューシーなくちびる

 

Mild mild morning kisses.

 

 

 

f:id:palaceatene:20201101013938j:plain