現象の奥へ

2020映画ベスト10

【2020映画ベスト10】

 

2020年は劇場で46本観たが、春頃は、コロナ自粛の真っ盛りで、家で珍しくDVDを結構観た。しかし、その後、徐々に、コロナ感染は減らないが、状況に慣れて映画館にも人が集まり対策にも慣れてきた。そんな社会状態ではあるが、映画は、ゆえに、充実したものとなった。厳しい社会状況の時、演劇映画は、興味深いものとなる。まさに表現が必要とされるようだ。今年度は、魅力的な韓国映画があり、社会問題の映画化もこなれてきたように思う。そして、「物語」をいかに扱うか。

 アルモドバルの『ペイン&グローリー』は、初期の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』に比べると牙を抜かれたかのようだ。成功はまさに、罠である。テレンス・マリックは彼の作品にしてはわかりやすい作品だったが、めまいのするようなカメラワークがすきになれない。「強くなければ生きていけない。だが、やさしくなければ生きている価値がない」そんな言葉が身にしみる時代状況だ。

 

1『シカゴ7裁判 』(2020)

(原題 THE TRIAL OF THE CHICAGO 7)

監督 アーロン・ソーキン

(テーマ性とエンタメ性の見事な調和)

 

2 『ストレイ・ドッグ 』(2018)

 (原題 DESTROYER)

 監督 カリン・クサマ

(「美人女優」のかぶり物を脱いだキッドマン入魂の一作)

 

3 『TENET テネット』 (2020)

 (原題 TENET)

  監督 クリストファー・ノーラン

 (賛否両論あれど、こうしたSF世界の映像化の洗練)

 

4 『PMC:ザ・バンカー (2018)』

 (北も南も、同じコリアンだ、と納得させる映画)

 (原題 TAKE POINT/PMC: THE BUNKER)

  監督 キム・ビョンウ

 

5 『ANNA/アナ (2019)』

  (原題 ANNA)

  (ベッソンはいつも、女のハードボイルド第一人者)

  監督 リュック・ベッソン

 

6 『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 』(2020)

  監督 豊島圭介

 (貴重なドキュメンタリーでありながら、心地よいエンターテインメントでもある)

 

7『マイ・バッハ 不屈のピアニスト  』(2017)

 (原題 JOAO, O MAESTRO)
  監督 マウロ・リマ

 (音楽とは何かを映像化)

 

8 『グッバイ、リチャード! 』(2018)

 (原題 THE PROFESSOR/RICHARD SAYS GOODBYE)

  監督 ウェイン・ロバーツ

 (ジョニー・デップには大学教授がよく似合う)

 

9 『悪人伝 』(2019)

 (原題 THE GANGSTER, THE COP, THE DEVIL)

  監督 イ・ウォンテ

(主演の極悪人、マ・ドンソクは、『スタートアップ』ではお茶目な役で出ている。いずれしろ、その「濃さ」は快感になる(笑))

 

10 『チア・アップ!』 (2019)

  (原題 POM)

  監督 ザラ・ヘイズ

 (ダイアン・キートンがシニアの美を魅せる)

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(次)『一度も撃ってません』 (2019)

   監督 阪本順治

  (題名がよい(笑))

 

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故郷、豊橋にて。「だもんで、豊橋は電柱のない街だっていっとるじゃん」


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