現象の奥へ

【詩】「Das Kapital(資本論)」

「Das Kapital資本論)」
Le marxisme est l'ensemble des contresens qui ont été faits sur Marx. (Michel Henry "marx Ⅰ")
マルクス主義とはマルクスについてなされた誤解の総体である。(ミシェル・アンリ『マルクス』)
『ライン新聞』主筆であった、若きマルクスが、彼が生きる社会に関して分析し始め、『経済学批判』を書き、それを、亡命先のロンドンで完成させたのが
資本論』である。しかし、彼自身が監修しているのは、第一巻のみで、以後の版は、第三巻まで、第一巻ののちの版も含め、
エンゲルスの手が入っている。
マルクスについての著作は掃いて捨てるほどあるが、注目すべきは、上記、ミシェル・アンリと、
彼らは、政治、歴史、イデオロギーなどでメチャクチャにされた書物を、
ていねいに解析し、その「切断面」を
示す。それにしても、さらにいろいろな文筆家、思想家、政治家など、
老いも若きも、この
聖書の次に有名な書を
利用してやろうと企んでいる。わが国でも、そういうヤカラには事欠かず、60年代はいろいろ
跋扈したものだが、
経済学の徒に「宇野理論」と言われ
あたかも特異な理論であるかのように言われた
宇野弘蔵こそは、日本のアルチュセール
言っていいと、いま、コロナ禍の令和には言える。
ろくに『資本論』など読んでもいないヤカラ、とりわけ、
団塊の世代」と言われるベビーブーマーたちが、
なにも知らない若い学者が「資本論」に言及した本などを見て、これ見よがしに驚喜するのは、
まったくもってわからないのであった。
中国共産党員のほとんどは、マルクスなどまったく
読んでないというし。
この哲学者はまんま、
コロナの彼方へ消えていくのかもしれない。
マルクスが観察したのは、
ロンドンの下層階級(そういってよければ)の悲惨さ。
それはディケンズも描いているが、
とりわけ子供、
三歳の子供がレンガ工場などで
働いていたという事実、
あるいは、孤児院の子供も工場の労働にかり出されていたという
事実である。
それらは、『資本論』の註に、事細かに書かれている。
あるいは、ロンドンで売られる庶民の向けのパン
それらには、壁土やレンガの破片などが
平気な顔して混ぜられていた。
というわけで、英王室は、
今日、メーガン妃が生んだ赤ん坊の
皮膚の色が黒すぎると気にしていると
いうが。
私見によれば、『資本論』は、アダム・スミス
パクっている(笑)。


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