現象の奥へ

【詩】「『わたし』」

「『わたし』」

漱石の描いた倫敦塔の拷問道具の凄さを見ようと、
倫敦塔にチューブ(ちいちゃいメトロ)でたどり着いたが
すでに閉館していた。まだ開いている土産物店を覗くと、あった、
ギロチンのキーホルダー
あまりの趣味の悪さに買わなかった。
なにかのセレモニーで、ライトアップされた倫敦塔に映し出された、
金色の熊。はたして、
1958年登場のペルーからの移民熊、パディントン
1920年代登場の生粋のイギリス人熊、プーか。
日本では、熊はゴキブリ扱いの「駆除」
狭い日本、そんなに探してどこへ行く?
「わたし」
イギリス人になってしまったアメリカ人、エリオット
アメリカ人になってしまったイギリス人、オーデン
はたして、ゲイにとってどっちが住みよかったのか?
ゲイということばもいまは差別語だ、
だけど、きっとユングは言ってくれる
老人らしい知を持った
老人になりなさい。

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