「(今頃)テオ・アンゲロプロスを悼む」
『旅芸人の記録』
『狩人』
『霧の中の風景』
『こうのとり、たちすさんで』
ときて、
『ユリシーズの瞳』は、カンヌで賞を取り立てほやほやの
パリはサンジェルマン・デ・プレ付近
つまりデプレのデプレ
の映画館で観た。
無修正だったので、主役のハーヴェイ・カイテルのペニスが丸見えで、
それは、西洋人はでかい、の噂通りの巨根で揺れていた。
日本でもう一度観ると、
白いもやもやで隠されていた。
ハーヴェイ・カイテルの厳しい旅
エーゲ海の泥の中から吊りあげられる
巨大な石像
ギリシアのドラマは終わりを知らず、
まだまだ続く予定だったが、
ある日突然、
アンゲロプロスの交通事故、
オートバイに跳ねられるという事故によって
断ち切られた。
テオ、つまり、テオドロスの
旅は突然終わった。
なぜか急に、
彼を悼まねばならないという気持ちにさせられた。
アーメンでもなければ南無阿弥陀でもなく、
なにかの断面に
祈りを捧げる
ように。