現象の奥へ

【詩】「泥」

「泥」
 
e fango è il mondo.
そして世界は泥である。
これは、ベケットが、プルースト論の冒頭にかかげたエピグラムであり、レオパルディの「彼自身へ」という詩からの引用であるが、
フランス語訳では、
La monde n'est que fange.
となっていて、これを訳せば、
「世界は泥でしかない」となる。
いずれにしろ
同じ状況を言っている。
三十年以上前に縊死した女性詩人
その夫はいまも、べつの女性詩人相手に
死んだ元妻相手に、三十年前にしたであろう
甘い言葉をささやいている。ばかだな、
そんな言葉に引っかかってしまうなんて
むしろ
永遠の地獄に墜ちていく恋人同士の
しあわせを思え。
そして世界は
でしかない?
つまり
である。
 

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