現象の奥へ

アベノミクスとはなんだったのか?

アベノミクスとはなんだったのか?】

またぞろ「アベノミクス」という言葉が、ちまたを、ではなく、自民党内を徘徊している。ユーチューブに流される「編集された」国会答弁ではなく、ライブで聞いていれば、岸田首相の口から何度も出てくる「アベノミクス」。「八年前に民主党が停滞させた経済をアベノミクスが救った」てな表現で平気で出してくる。
 それは終わった「妄想」だったのではないか? この期に及んで、いかに自民党に期待すべきか、宣伝するために持ち出されている。
 2014年に岩波書店から出た、伊東光晴氏の『アベノミクス批判』は、アベノミクスなるものは、経済学論理的にもおかしいということを証明した本だが、思いがつまりすぎて、整理されておらず、非常に読みにくい本である。私は、本書発売当時に二回読み、今また取り出して開いてみても、すらすらとは読みがたい。
 それは、アベノミクスなるものが、経済と政治をごっちゃにして利用しているために、それを整理してみせる難しさもある。
 当然、欧米の経済学ではこのような「理論」はまったく認められていない。簡単に言えば、政府が金融に介入して利子を下げ、消費を促すというものだが、人の心、生活は計測できないにもかかわらず、このような「理論」を作り上げたようである。もちろん、こういう「理論」さえ、アベちゃんのひとりのアタマで考えられるわけはなく、学者が作り上げたのだろうが、こと経済学という学問は、まったく、ピンキリの世界なのである。
 そして、こんな亡霊がまた徘徊し始めているのは、まったくもって、驚きである。という、指摘するのがやっとである。
 

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