現象の奥へ

【詩】「突然のクリステヴァ」

「突然のクリステヴァ


井筒俊彦高野山にての講演のCDを

犬の散歩どきに聴いて、

もう何度になるか。

題して「言語哲学としての真言

エソテリシズム

エソテリック

密教

いっさいのアウトサイダーを拒む

わたくし(井筒)は、

外側から一部覗き見ただけのこと。

どの程度わかっておりますか。

理論的反省をなきにしては

なにも語れない

千年以上の長きにわたって

言葉の奥の奥

言語哲学としての

千年前の哲学でありながら、

現在のアヴァンギャルド

宗教的枠付け取り払い

根源命題から始める

 

「存在は言葉である」

 

人間は言葉である、

ハイデガーとは少し違う角度から

 

存在性そのものが

言葉的である

 

「存在は言葉である」

 

真言思想は純粋哲学

普遍的思想パターン

命題的表明

 

「存在は言葉である」

という命題はなにを意味するか?

 

系列の相互連関

存在世界は自立している

表面的事実にすぎない

 

悟り世界を言語化すること

人間が人為的に言語化するのではなく

 

言語化のプロセス

 

真言密教では、異次元の言葉

言語学的にどういう性質?

かぶんに対する韻文の世界

超越的

法身説法(大日如来の語る言葉)

弘法大師

言葉を超えた世界

叙述も表現もできないことを

かぶんかせつ

弘法大師は主張

真言密教の中心

言葉の彼方、

瞑想的体験の事実なら

すべては沈黙の底に

沈み込むはず

悟りの世界を言語化することを言語化すること

 

かぶんかせつ。

かぶん、は、意識と存在の絶対的超絶の世界

ことばのかなた

人間のことばでは叙述できない

弘法大師は、かぶんかせつ

真言密教の標識

 

異次元なりのことば

さとりのせかいを言語化する

異次元の言葉(員言密教は)

自己言語化のプロセス

 

どういう内的構造?

 

かぶんに対する韻文の世界

内的につながる

 

分節機能

 

現実を意味的に

分節していく

アーティキュレーション

ことばがあとからなぞっていく

はじめにはなんの区分けもない

原体験のカオスだけ

人間の意識が

節をつけていく

 

相互連関のしかたまで

意味によって区切られている

西洋では、

18世紀から19世紀

フンボルトあたりから

東洋では古くからある

大乗仏教では、

妄想分別

変化しょしゅう

 

べつの次元の言葉

現象界のあらゆる事物

ほしんせっぽう

 

最近急激に

記号学

文化人類学

発展しつつある

仏教哲学とは違った

 

西洋では

言語記号

ソシュールのラングにかぎられている。

社会制度的言語

単語間の

シンタックス

浅い表面的

記号システム

できあがっている

人間使うだけ

 

意味生産機能

存在生産機能

言葉を意味を通じて存在世界を生み出していく

表層的に考えているかぎり理解できない

ラング、パロール発話行為

対立させる以前に

ラングの底の、深層領域

 

記号学では

シニフィアン(聴覚的音声表象)とシニフィエ(意識内の意味表象)

 

ルミノーゼ

 

原題

 

ル・セミオテーク
クリステヴァ

構造モデル的言語意識

既成の意味に対応する

 

時々刻々に新しい

概念化の留め金を外され

ゲシュタルト

 

意味エネルギー

八卦の中のごん

山的ななにか

山的なエネルギー

YAMA

 

荘子(そうじ)」の天来地来

虚空を貫いて

天の風。

幹や枝には無数の穴