現象の奥へ

【詩】「仮説」

「仮説」

 

物質とはわれわれにとってイマージュの総体と、かのひとはいふが。

いま宋では月明かり美しい夜がひとの、

心を撓わにゆらしてゐる。

観念論でも実在論でもなく、

イマージュはイマージュとしてそこにある。

事物と表象の、

宇宙は割れて、

恋なのかペンギンなのか、それとも、

ただの魚影なのか。

心理と生理の

記憶をゆけば、かなし母。空間は、

殺して、自然が与えてくれるものを

受け取れ。運動だけが目覚め、

不条理のさたを、