「Une saison en enfer(地獄での一季節)」
そうだ、わたしは、「地獄の季節」を経験したのではなく、
すでに地獄にいて、ひとつの季節を過ごしている。
絶望を喰らい、虚無に詩という仮面をつけて、
砕け散った友情について認めた。
そうだ、知り合ったのは、三宝保育園にて。
旧東海道に沿う、芭蕉も立ち寄ったという寺の境内にある保育園。
あれからいくつき、考えるのも一苦労の日々。
心はしだいに離れていった。
トロイアから、アマゾネスたちの力を借りて、這々の体で抜け出す、
アイネイアスがやがてローマとなる国を目指したように、
少年ランボーよ、私もまた幼児期の饗宴にあった。
われらにおいて最も詩的な日々は、
「おしめさん」という八百屋に、
焼き芋を買いに行き続ける日々だけだった。