現象の奥へ

【詩】「Une saison en enfer(地獄での一季節)」

「Une saison en enfer(地獄での一季節)」

 

そうだ、わたしは、「地獄の季節」を経験したのではなく、

すでに地獄にいて、ひとつの季節を過ごしている。

絶望を喰らい、虚無に詩という仮面をつけて、

砕け散った友情について認めた。

そうだ、知り合ったのは、三宝保育園にて。

旧東海道に沿う、芭蕉も立ち寄ったという寺の境内にある保育園。

あれからいくつき、考えるのも一苦労の日々。

心はしだいに離れていった。

トロイアから、アマゾネスたちの力を借りて、這々の体で抜け出す、

アイネイアスがやがてローマとなる国を目指したように、

少年ランボーよ、私もまた幼児期の饗宴にあった。

われらにおいて最も詩的な日々は、

「おしめさん」という八百屋に、

焼き芋を買いに行き続ける日々だけだった。