「たゆたって」
石川淳「西游日録」は、文学者仲間、
パリへ行っててんやわんやの旅行記だが、
ホテルに着いたら失敬なフランス人の若者が部屋に入り込んで勝手にシャワーを使っていた。
そんなエピソードも達筆な書きっぷりに吸い込まれていって、
こんな旅行記は誰も書けんだろうと紹介されていたから選集から手にとってみたが、はたして、
それを紹介していたのは、吉田健一だったと思うがその箇所がわからない。
植草甚一くさい匂いもちょっぴりはして、
感心のしかたは、丸谷才一っぽい。
当方、まねっこして、ロンドンで本を読んだり、
パリへ駆け込んだり、してみたが、
いまでは、さまざまな記憶がたゆたって、
まさに「おパリ」のエリオット・ポオルなのだった。
Chan、chan♪
