現象の奥へ

【詩】「あるいは裏切りという名の犬」

 

あるいは裏切りという名の犬

 

「36(トロントシス)」というのがパリ警視庁の通称、36 QUAI DES ORFEVRES という住所だから。

「まだ」十分痩せている、ジェラール・ドゥパルデューと、

醜男だけど、フレンチの匂い漂う、ダニエル・オートュイユが、

かつては親友だったが、いまはライバル同士となって、警視長官の座を狙う。

正義感のオートュイユに対して、汚いこと平気のドュパルデュー。

対立のもとは、ひとりの女、彼女はオートュイユの妻となっている。

構成がよくわからない展開だが、

いま、Amazon Prime Video、440円でレンタルして見なおしてみれば、

やっぱりわからない。いや、わかった。最初の場面が最後の場面だった──。

ただの省庁の爛れた様相。

どこにでもあった。

でも、おフランスの匂いを漂わせているのは、

さすが、ノワール

コーヒーでもいっぱいどう?