「ヘレナ」
絶世の美女というものがあったら、
それは、伝説、を呑み込まねばならないだろう。
その女のために戦争が起こり、
彼女を奪った王子は、トロイアのパリス。
ごめんなさい、私が思い出させるのは、
劇団『四季』の影まりえ、それから、ダイアン・クルーガー。
やがて白骨になり、誰かに踏まれて、
時のたつのをしみじみと、感じる。
なにもかも、地球でのできごと、
地球はひとつのお星さま。
「ヘレナが生きていた頃」という詩を、イエイツが書いた。
そのひとさえ死んでしまって、
すでにわれらは、美とはなにかさえ、
記憶していない。