現象の奥へ

『ガンパウダー・ミルクシェイク』──この映画に比べれば、ウェス・アンダーソンもダサい!(笑)(★★★★★)

ガンパウダー・ミルクシェイク』(ナヴォット・パプシャド監督、2021年、原題『GUNPOWDER MILKSHAKE』)

 

タランティーノ絶賛!」で、とるものもとりあえず観に行ったが、ひゃ〜面白さ満載!女の、女たちのハードボイルドだが、先のハリウッド作の、「355」を軽く超える。イスラエルの映画だが、制作国は、フランス、ドイツ、アメリカ。しかし、ハリウッドでは考えられないユニークさがあり、それが、「母娘もの」なのである。表だっては、大企業(ファーム)の仮面をかぶっている組織。の、凄腕の殺し屋、それがこの映画の主人公の、サム(サマンサ)。ボスの命令を受けて殺しにいくも、その相手には、8歳の娘がおり、父親のせいで誘拐されていた。その相手を殺したあとで、娘を助けようとするサマンサ。そこから、女殺し屋と少女の、組織を相手にした戦いが始まるのだが、すぐに、女は増え、図書館を営む女3人を訪ね、15年会っていない母の仲間だと知る。その図書館は武器庫になっている(世界名作を開くと銃などが出てくる始末(笑))。そして、母(ママ)が現れる。これが美女にして無敵の女。頭がキレて、いろんな作戦を考えられる。母と娘は、共同で戦う──。

 てなてなストーリーであるが、こういうの、ハリウッドにありましたっけ(笑)? そして、8歳の少女も、大活躍する。悪者は、全部男(爆)。このサムは、これまで見た映画の女殺し屋のなかで、ナンバーワンと言える。スタントはいるみたいだが、アクションがすばらしい。その母もサイコー!

 題名は、一回文字を見ただけでは繰り返せないが、映画を観たあとは、完全に覚えられる。たぶんに、タランティーノのDNAが仕組まれている。タランティーノの『デスプルーフ』みたいな造語であるが、内容にぴったりである。そしてこの映画の監督、ナヴォット・パプシャド、今回が初の単独監督だそうだが、共同監督の前作『オオカミは嘘をつく』(2013年制作、2015年1月鑑賞)、やはり「タランティーノ絶賛!」(いまのところ、この惹き文句しかない!(笑))で観て、レビューも書いてました(爆)。この作も、ハリウッドではあり得ない発想でしたが、単独になったら、さらに面白くなった!