現象の奥へ

【詩】「うつらうつらしながら」

「うつらうつらしながら」

 

La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,

Occupent nos esprist et travaillent nos corps,

馬鹿、間違い、罪、吝嗇が、

われらの頭を占め、体を動かす

 

と、シャルル・ボードレールは書く。

ここには、なんら観念的な言葉はない、

ただ現実を描写しているだけ。

それがボードレールの詩だ。

 

Et nous alimentons nos aimables remord,

Comme les mendiants nourrissent leur vermine.

 

そして心地よい噂を養う、

乞食がしらみを養うように。

ここには美しい抽象も意味ありげな比喩もない。

少なくともそれが、詩だった──。