『キャメラを止めるな!』(ミシェル・アザナヴィシウス監督、2022年、原題COUPEZ !/FINAL CUT)
メイク先のもとになった映画は、確かに「予想に反して」大ヒットしたが、それは、観客が、素人映画だとたかをくくって見始めて、だんだん凄い展開になっていって、それが、まあ、「今のニーズ」にあっていたからだ。
フランス人には、もともと、こういう「はちゃめちゃ」要素があったので、気に入ってその気になったのだろうが、エンタメ映画のすれっからしの(日本の観客)には、こういうのはすでにして「見慣れた」風景であり、とくに、すでにして、プロの俳優が、すでにして存在してしまった物語を演じたのでは、オリジナルの「よさ」はなにも持っていない。素人っぽさを突き詰めたところにオリジナルの得がたさがあったのだ。
ゆえに、日仏全員勘違い。
しかし、あのもと芸人の(公称)147センチのプロデューサー役の日仏共通のオバチャンだけが、唯一光っていた。あのヒトは使える!