現象の奥へ

「台湾」

「台湾」

台湾とはなにか?
それは、埴谷雄高の幼少時の朝から泳いだ森林に囲まれた谷川を持つ、
地球のどこかである。
観光的な視点も政治的な視点も、
ない。無垢な原風景を蔵する「場所」。
そこには、戦いも殺戮もなく、なにもない。
高橋和巳を鎮魂する埴谷の、
その二人を鎮魂する大江健三郎
テクストとなり得ている
「場所」。
日本の「詩人」さんたちとやらは、
おめでたくも大急ぎで、
どこかの国の重要な政治家が訪問したとかで、
資料を漁っている爆笑の「場所」。