現象の奥へ

【詩】「ロシア」

「ロシア」

井筒俊彦は、「ロシア的人間」で、紋切り型のヨーロッパ文学とは違う、ロシア文学の世界を示唆している。
ワルター・ヴェンヤミンは、評論「物語作者」で、中央ロシアを舞台の、ニコライ・レスコフの作品を論じている。
そして、ドストエフスキーではなく、その前の、
ツルゲーネフについて、
ロシアの貴族からヤンキーに転じたナボコフは、
ツルゲーネフは、ヨーロッパ文学に浸かっていた作家と
論じている。
ロシアよロシア、プーチンの素には、
収容所群島の知識人たちの思想があって、
そこはわれわれの知っている欧米文学の世界ではなくて、
中央ロシアの草深い
不思議な土地の世界でそこには、早朝、どこから来たとも知れぬ、
巡礼が訪ねてくる。チェーホフの別荘では、
モスクワ芸術座の演出家、スタニスラフスキー
自説を展開している。