現象の奥へ

【詩】「右側に気をつけろ」

「右側に気をつけろ(SOIGNE TA DROITE)」

物語を詩にして完成させ、その日の朗読会に間に合うように届ければ罪はゆるされる。
罪? なんの罪?
物語? なんの物語?
そして馬鹿殿は、詩を作り始めるのだった。
韻も踏まない十四行だけある詩は
ソネットと呼ばない。
日本人はとにかく韻に無頓着というより無知。
西洋の詩ならごまかせても、
漢詩の規則はもっと厳しいから誤魔化せまい。
がったん、ごっとん、窓際に手錠で留められて、電車がいく。
エラース! エラース! エラース!
映像は言葉であり、言葉は映像である。
映像は哲学であり、哲学は映像である。
そしてエリオットは朗読する、りっぱに韻を踏んだ蛙の王の物語を、やる気なさそうな小声で、