現象の奥へ

【詩】「あるいは、反転という名の兎」

「あるいは、反転という名の兎」

大きくなり同時に小さくなる
上昇であり同時に落下である
いくつもの冒険はたったひとつの冒険である
しかして因果関係は分離される
ストア学派的いねむりの
のち
うさ公は山下さんちの裏庭の
うさぎ小屋から出された
なんで?
売られるために。
もう十分大きくなった。なりすぎだ。
うさぎ屋がやってきて南京袋にうさぎを入れ
バネ秤で重さを量った。
それからどうなるんだろう? あの兎。
お茶会パーティーに行く説あり、
ライオンの餌になるという説あり、

métastases du cancer      Terre-cancer    vie

──────────  =   ──── = ─────── 

apocalypse atomique       Dieu-bombe    savoir

    (Gilles Deleuze "CRTIQUE ET CLINIQUE" (Les Éditions de Minui)P31)