現象の奥へ

【詩】「そしてオーデンに送る手紙」

「そしてオーデンに送る手紙」
夜は遅い、いつものように新年が来て、
静かというには少し残念な……
そばに川が流れておれば、
 きみは果報者。
遠さと近さ、
もの音とささやき、
過去の時間がきみのなかで
混じり合うとき、
昔観た芝居の劇そのものではなく
劇場の
暗さを今でも愛している、
そういう時間を
きみに贈る。