現象の奥へ

習近平の思想

習近平の思想」

 

BS-TBS「報道19:30」は、地上波民放のワイドショー系ニュースと違い、テキトーな芸人や、元政治家、元官僚、「(現役であるが(笑))学者など、どうみても、ヒマそうな人々を集めて、侃々諤々、勝手な意見を述べ合う番組と違い、MCではなく、「キャスター」がおり、テーマに沿って、長年その分野を現実として考えてきた人々をゲストに、その立場における考えを述べてもらい、キャスター(松原耕二氏)が質問し、軽い感想を述べながら、固定した考えを主張、誘導することなく、ありのままを報道していく、昔はあったかもしれない硬派な番組である。そこには、自民党政調会長小林鷹之氏を招いて、氏の考えを自由に展開させる場面もあった。その際も、たいていは3人ほどいるゲストに、それとは反対、あるいは疑問も述べさせるのだが、決して声高な対立を煽るわけではなく、キャスターは、あくまで常識な感想、疑問などをさらりと述べる程度である。あとは、見た人が自由に判断すればいいことというスタンスである。

 

11月27日は、「中国の対日強硬の裏に習近平氏の「歴史観」」

 がテーマだった。ゲストは以下の人々で、

 

諏訪一幸(大東文化大学 東洋研究所兼任研究員)

呉軍華(日本総研 上席理事)

高橋哲史(日本経済新聞社 編集委員) 

 

以上のうち、呉軍華(日本総研 上席理事)

が、習近平の政治家としての性格、態度、考えなど、長い間見てきた立場から、特性、社会主義独裁国家でのふるまい方を説明した。

 中国は、毛沢東を引き継ぎ、社会主義独裁の政治体制を続けている。大昔から、「国は一つにまとまるのが最良であり、正しい」という考えが流れている。共産党一党独裁となってからも、その考えは、浅く、深く、続いている。これまでの指導者のなかでも、習近平は無口である、あまり声高に考えなどを語らない。黙っておのれの思うように仕向けていく。習近平は、台湾に関して、ひとつにまとめきれなかった苦い失敗があり、そのことに触れられるのを嫌っている──。

 今回の中国からの「圧力」は、いまや中国は、経済力、軍事力において、日本を抜いているという自信があり、それをもとに行っている──。

 

 今回の番組内で言われたことではないが、習近平と、各担当部署の長のふるまいとの関係は、すべて上から、「こうしろ」と命令してくるわけではなく、その場の責任者の判断に任せられているということで、それはそれで、背負う責任は大きい。

 

ま、そういう歴史と政治思想を背景に持つ支配者が存在する国との関わりは、日本でも、国民の主張は細かく別れ、それなりにうがっている場合も、まったくテキトーな場合もあって、「正解」に通じる道などないように見える。ただ、独自な歴史を背景にした習近平の「思想」は、アタマに入れておいた方がいいかも>そのあたりのネトウヨ、アニメの闘いに影響されている人々…etc.