『人新世の「資本論」』(斎藤幸平著、2020年9月17日刊、 集英社新書)
たいていこういった本は、ピケティとか、エマニュエル・トッドのおフランス勢か、あるいは、クルーグマン、ジャレド・ダイヤモンドが、十年くらい前に書いた本のパクりである。くわえて、マルクスの霊ほど、死後、何度も呼び出されている霊はない。本人自身も、「ヨーロッパに一匹の妖怪が徘徊している。コミュニズムという妖怪が。古きヨーロッパのいっさいの勢力が、この妖怪を退治するための神聖な捕り物に加わるべく団結している。教皇とロシア教皇(ツァーリ)が、メッテルニヒとギゾーが、フランスの急進派とドイツの警察が。」(『マルクスコレクション1』(今村仁司、三島憲一ほか訳、筑摩書房刊)と、「コミュニスト宣言」で書いているではないか。
「資本論」などろくに読んだことのないヤカラほど、本書を傑作だと騒ぎ立てる(笑)。