現象の奥へ

Entries from 2023-08-01 to 1 month

【詩】「地獄は待ってくれる」

「地獄は待ってくれる」日本の書物でありながら、日本の誰もが読めなくなっていた古事記と取り組み、これは神話ではなく、まぎれもない古代人の実生活だと思いいたった本居宣長は、どこの森かはわからぬが、昏い森に迷い込み、そこで、師、契沖に出会った。…

【詩】「ラカン」

「ラカン」想像界、象徴界、抑圧、浸透、自己主張、作り話、反復脅迫、意味表現、連鎖、中心から離れた場所──わかったふりしてるあなた。やさしくみえる詩より難しくみえる詩の方がすきなあなた。Und wenn es uns glückt,首尾が上々でジョブズみたいに、自分…

【詩】「日本」

「日本」あいもかわらず政府はきれいごとを並べ、事柄をごり押ししていく。岸田の何かの文章を読んでいるような物言いはどうだ?バイデンの弱々しい老人特有の笑いはどうだ?NHKには、いったい、気象予報士は何百人いる?気象予報士の給与を発表しろ。政府に…

【詩】「被後見人が後見人になりたがる」

【詩】「被後見人が後見人になりたがる」ハントケの無言劇。高校生の時知った。その後、ハントケはノーベル賞を取った。いろいろの問題が取り沙汰された。サッカーを見るたびに、ハントケを思い出す。「不安──ペナルティキックを前にしたゴールキーパーの」…

【けふの格言20230820】

【けふの格言】Old soldiers never die; they only fade away.〔老兵は死なず、ただ消え去るのみ)(マッカーサーがトルーマン大統領によって、朝鮮戦争時、国連軍総司令官を解任された時、第一次世界大戦時に流行った流行歌を引用した。)

【詩】「ト書き」

「ト書き」シェークスピアの作品にはト書きがほとんどない。登場と退場があるだけだ。それというのも、エリザベス朝の舞台には照明が松明のあかりしかなく、薄暗かったから、こまごました装置はあってもしょうがなかった。少年が女性を演じ、それは、歌舞伎…

【吉田健一のことば20230818】

【吉田健一のことば20230818】 今日の日本に詩人と自称するものが一万人前後もいて、その中で詩であるものを一行書ける人間が二人いるか、三人いるか解らない〔吉田健一『東西文学論日本の現代文学』)

【詩】「お盆のエリオット」

「お盆のエリオット」テムズに浮かぶは、きわめて日本的な郷愁。サンドイッチの包み紙やオーフィリアが抱えていたオダマキではない。エリザベス朝のフローラよ英国人の死を飾れ。ナスの馬や蓮の葉、きびがら、祖母おさと婆さんの恋が最初の夫の位牌とともに…

【詩】「地中海」

【詩】「地中海」夏の終わり南仏で、初めて地中海に足を漬けた飛び上がるほど冷たかった。地中海の子ヴァレリーよ、きみはダヴィンチの方法を書いた女神がやってきて飛び散るしぶきのように笑った。ホメロスはまだ若者でパピルスに歴史が描かれるなんて思い…

【十句】

【十句】涼風が記憶を運ぶお盆かな二十三世紀にお盆ありやカラス静けさや不安をあおる昼下がり影ゆれて光もゆれる位牌かなその昔鮎といふ魚あり郷愁も風化枯れし昼顔電話すれば友は睡眠薬を処方されてをり真夏ゴキブリのように蝉が死んでをりベランダ耳鳴り…

【詩】「失うということ」

「失うということ」結局、死ぬまで、失うということを知らないひとはたくさんいる。知らないまま死んでいく。失う。すべてを失う。それがどういう感じなのか、ウンガレッティは「すべてを失って」という詩のなかで書いている。人生が叫べぬ声の岩となって喉…

【詩】「燃えあがる薔薇」

「燃えあがる薔薇」あなたの夢は倒叙形式でやってくる結末ではなくはじまりを見るために