現象の奥へ

Entries from 2023-07-01 to 1 month

『ユリイカ』2013年8月号特集小田久郎

『ユリイカ』2023年8月号特集小田久郎「さきほど」(っていつよ?(笑))、亡くなられた、小田久郎、思潮社初代社長にして『現代詩手帖』初代編集長の特集。さすが、「敵に塩を送るか?」的な行為にも見えたが、買おうと思ってAmazonに行ったが、書き手のメ…

天正十年愛宕百韻

【天正十年愛宕百韻】場所は山城国愛宕山西之坊威徳院。表向きは毛利征伐の戦勝祈願、実は信長を本能寺で破るための明智光秀の祈願をひそかにこめたもの。連衆光秀ほか八名。初表「ときは今天(あま)が下しる五月哉」 光秀NHK大河『どうする家康』では、ま…

【詩】「詩を書く権利」

「詩を書く権利」詩を書く権利は誰にでもある。それは詩ではないと言われようと。下手くそと言われようと、無名のくせにと思われようと、詩壇(というものがあるとして)が無視しようと、詩を書く権利は誰にでもある。絵を描く権利と同じように。ときに詩集…

それをお金で買いますか?

【それをお金で買いますか】マイケル・サンデルの本書が出て、十数年になる。いまや、「刑務所独房の格上げ」や、「民間軍事会社の一員となり」それなりの給与、一月250ドル(十年前)まで、お金で買えるようになっている。その「商品」が、ロシアでは姿を現…

本能寺の変

【本能寺の変】信長がNHKのテレビドラマのように、そこで明智光秀の送った殺し屋に殺されたという史実があるわけではない。ただフロイスの『日本史』には、本能寺は焼け、そこに信長は泊まっていたようだが、遺体は見つからず、骨ひとつ発見されなかったとあ…

【詩】「ほととぎす」

「ほととぎす」ほとゝぎす栗の花ちるてらてら日 李千依然、鳥の姿はつかめずキリアン・マーフィーはきれいな顔を歪ませてオッペンハイマーの姿の陰。砂漠、実験、あれがああなれば……。私は小学生で図書館で『人類の夢原子力』という本を読んでいた。そこに書…

【詩】「かきつばた」

「かきつばた」捲あぐる簾のさきやかきつばた 如行孤独は守られねばならぬ。夢は他人の夢に混じらねばならぬ。シリア人の乗った船は汚水を含んでいなければならぬ。古句にイタリアは混じらねばならぬ。原書『資本論』に誤植がなければならぬ。ヘブライ人は亡…

【詩】「昼顔」

「昼顔」 昼顔や魚荷過ぎたる浜の道 桃妖 なまぐさき郷愁もある炎天下 やがて咲きたる青い花昼顔科なれど 名前はアメリカンブルー 名前に似ず弱々しき茎と葉 あの日から何十億年経ちました。 海の水は涸れ、 人類はいるのかいないのか。 ただ記憶として牡丹…

【詩】「クロード・レヴィ・ストロースに捧ぐ」

「クロード・レヴィ・ストロースに捧ぐ」「問題にしたり、論争したりすることが新しいのではない。新しさは文学の世界に最も古くからあるものなのである」(吉田健一)エリオットも同じような趣旨のことを言っている。おそらく、オクタビオ・パスも。だから…

【今更ながらの劇評】「緒形拳と串田和美のゴドーを待ちながら」

【今更ながらの劇評】「緒形拳と串田和美のゴドーを待ちながら」串田和美演出、緒形拳と串田和美の『ゴドーを待ちながら』が、福岡の「西鉄ホール」で上演された。そら、期待して観に行ったワ。しかし、ぜーんぜん、おもしろくなかった。西鉄ホールはおそら…

【詩】「明日は帰ろう羅生門」

「明日は帰ろう羅生門」激しい雨に降り込められて、頬のニキビを押さえつつ下人は、自分がディカプリオだった頃を思い出す。都大路は荒れ果てて、人心は狂い、同じレオナルドでも、ダ・ヴィンチ写生用の死体がいるので、死体のメッカ、ここ羅生門の二階まで…

【詩】「女の一生」

「女の一生」pasa gune cholos estin, echei d'agathas duo horas,ten mian en thalammo, ten mian en thanato.小林秀雄は杉村春子が嫌いだった。体は貧相は顔は……なんであんな女が舞台でいい女を演じるのか?!二代目杉村を継ぐはずだった太地喜和子だって…