現象の奥へ

ビクトル・エリセ『瞳をとじて』

ビクトル・エリセ『瞳をとじて』──記憶とは動き続けるもの92年の『マルメロの陽光』で、ビクトル・エリセは、脚本を作らず、最低限の設定で、画家がマルメロの木と向き合い、描いていく様子を撮った。このとき、画家との了解以外、プロデューサーも決まって…

土井善晴『味つけはせんでええんです』(ミシマ社)

土井善晴『味つけはせんでええんです』(ミシマ社)「料理して食べるという営みにあるのは、栄養の摂取、食の学び(マナー・知識)、空腹を満たす満足、おいしさの楽しみ、人間関係を深めるという目的だけではありません。人生にかかわるあらゆるものの起源…

【詩】「高村光太郎」

「高村光太郎」ふつう、月が出ている、とか、星が出ている、とか、書く。しかし、高村光太郎は、「火星が出ている」と書いていた。そんな詩を、料理研究家の土井善晴氏のエッセイ集、『味つけはせんでええんです』に引用してあった。そういや、中学生の頃、…

【詩】「紫式部日記」

「紫式部日記」まず大きな疑問は、古代に、自我が、存在したかどうか。平民は、穴ぐらのようなところに住んでいた時代である。「紫式部日記」なる薄い書物は、一条天皇中宮、彰子が出産のために実家である、土御門殿に帰り、安産を祈願する僧たちの読経の声…

母山下みゆきの水彩画、「きんかん」

母山下みゆきの水彩画、きんかん。

【詩】「ダンテと海ザリガニ」

「ダンテと海ザリガニ」って短編がベケットにあった。ベラックァが風邪で寝ていて、ベラックァはイタリア語を習っていて、ダンテのところがあって、それで……。海ザリガニをゆでていたんだ。英語圏の詩人たちにとって、ダンテは崖のようにそびえている。「ダ…

【詩】「さらば涙と言おう2」(阿久悠)

「さらば涙と言おう2」(阿久悠)さよならは誰に言う?さよならは哀しみに。雨の降る日を待って、さらば涙、と言おう。と、ぶっきらぼうに歌っていた学生服の森田健作は、のち、千葉県知事になった。それから、さらば、県知事職と言った。森田はいったい、何…

【思い出す映画】『告発の行方』

【思い出す映画】ジョディー・フォスター主演『告発の行方』ケリー・マクギリスの弁護士が、ジョディー・フォスターを擁護して戦う。ジョディの役は、もともと身持ちのよくない不良の女。ジュークボックスのある店にたむろし、曲をかけては、セクシーなダン…

【記憶のなかの詩句】

【記憶のなかの詩句】「夜はいまだ、青梅の未熟さなので」(大岡信) 大岡信の詩のなかの一行であるが、演出家鈴木忠志率いる、劇団「スコット」富山県利賀村公演での、ギリシャ悲劇の「トロイアの女」か「バッコスの信女」に出てきた。看板女優、白石加代子…

【詩】「ドシウエフスキーの『永遠の良人』」

ドストエフスキーの「永遠の良人」 「一は二十年の漁色生活による、他は二十年の結婚生活による、数々の苦痛が念入りに育て上げた、爛熟した人間の心の平常な姿だ。一歩進めてと言ってもいゝ。人間四十年もこの世に暮らして、この程度の心の無気味さ持てなけ…

【詩】「ハムレット」

「ハムレット」「ハムレット」という小説をラフォルグが書いている。そのなかに、意地悪そうな目つきをした白鳥たちという表現があるが言い得て妙だ。ハムレットといえば、すぐに思い出すのは、文学座の江守徹である。アトリエの公演で「ハムレットや調子は…

母山下みゆきの水彩画「シクラメン」

母山下みゆきの水彩画、シクラメン。 「ショーヘイくんの英語、私にも少しはわかるよ」(みゆき)。

ミス日本

みなさん、「ミス日本」です! 今どきミスコンなんてテレビのニュースでもやらない。流したところもあるかもしれないけど。1月22日にそのコンテストがあったとさ。あらわれた、「ミス日本」、カロリーヌ・シノさん、御年26しゃい。ウクライナから、5しゃいの…

母山下みゆきの水彩画「アメリカの原住民」(本人の言)

母山下みゆきの水彩画「アメリカの原住民」(本人の言)

【詩】「上意討ち3」

「上意討ち3」右は高輪泉岳寺 四十七士の墓どころ ひとり、赤穂への報告のため逃がしたから、実際は、四十六士。戒名にはすべて「刃」の文字が刻まれている。赤穂城城主、浅野内匠頭長矩は、殿中で刃を抜いたため、捕らえられ、駕籠に乗せられ罪人として裏門…

【詩】「上意討ち2」

「上意討ち2」以前、同じ題材について書いた。この短編の書きようが、なんともアヴァンギャルドだったのが印象に残った。それで先日、ドストエフスキーの『永遠の良人』の二人の男の邂逅場面を心に描きながら詩に書いた。二人は背負い切れないものを背負って…

【詩】「上意討ち」

「上意討ち」自らの恨みではない。上から言われてある男を追う。池波正太郎は、似たような題名の短編をいくつか書いている。時の、砂嵐に巻かれ、はたして、十数年前やりすごした相手に出会う。ふたたび、やりすごしてござる。時代劇は、普通のエッセイのよ…

ウディ・アレン脚本・監督『サンセバスチャンへ、ようこそ』

ウディ・アレン脚本・監督『サンセバスチャンへ、ようこそ』(2020年作品、2024年1月19日日本公開)──高齢者の高齢者のための後期高齢者による作品(★★★)正直、寝落ち数回(笑)。筋書きも「思想」もすでにわかっている。私にとって問題は、どれだけ魅力的…

【詩】「巷に雨の降るごとく」

「巷に雨の降るごとく」巷に雨の降るごとくわが心にも涙降る涙さしぐみ帰りきぬモンスリ公園のなかだった鐘は鳴れ……ええと……いずれの御ときだったのかしら?ひろひと、天皇のみよだった。いとやんごとなききわにはあらねどきわめてときめきたもうありけりは…

牡蠣のソテー

けふの晩ご飯。牡蠣のソテーをフルーツサラダ(ミカン、キーウィ)で食べる(有元葉子先生レシピ応用)。それと、ラーメン、どんな取り合わせや?(笑)、オーストラリアのオーガニックワイン、ソーヴィニオン・ブラン(キリッと辛口)。

【詩】「Cry me a river」

「Cry me a river」闇は時間を消す、と言ってKは卓上の電灯を消した。ところで今度の事件はおれはやってきたFBIのニーチャンに聞いた。手紙が盗まれたんだ。またか。ところでラカンはなんで「盗まれた手紙」の講義なんかしたのか?それはKはそう言いかけてコ…

「バカバカ詩。」

【バカバカ詩。】NHKの紫式部を題材にした大河ドラマがはじまり、なんの関心もないけど、何年も前から源氏物語を題材にソネット(のようなもの)を書いてきたが、ブログに(アタマが)このドラマ程度のビジターが現れ、げんなりした。一方、日本の「現代詩」…

【DVD】『死への逃避行』──アジャーニというクロスワードパズル

『死への逃避行』(クロード・ミレール監督、イザベル・アジャーニ、ミシェル・セロー主演、1983年、フランス)昔観た映画で、題名忘れ、フランス映画だということと、アジャーニ主演だということ、たった一つの印象、というより記憶に残った場面、だけ覚え…

晩ご飯20240110

けふの晩ご飯。肉じゃが、かぶの即席漬け、玄米と十五穀ご飯、豆腐と山三つ葉の味噌汁。

けふの晩ご飯

けふの晩ご飯。豚肉、かぼちゃ、ミニトマトのソテー、納豆、キムチ、さつまいもの味噌汁、水菜の即席漬け、十七穀米。

母山下みゆき(93歳!)の描き初め

母山下みゆき(93歳!)、2024年描き初め、4年前の今日も、おなじものを描いていた。花を咲かせたシャコバサボテン。箸を持つのもやっとの手で描いているこの根性!

七草がゆ

けふの朝食。発芽玄米の七草がゆ(1,せり、2,なずな、3,おぎょう、4,はこべら、5,ほとけのざ、6,すずな(かぶ)、7,すずしろ(大根))それに、ちりめんじゃこを入れ、塩はなし。

【詩】「源氏物語─The sonnets 14」

「源氏物語─The sonnets14」 「澪標(みをつくし)、あるいは『紫式部日記』」 『紫式部日記』は、式部が仕えている一条天皇中宮彰子が 出産のために里帰りしている土御門殿の描写から始まる ときは秋。 安産を祈願する僧たちの読経の声が オミナエシの咲く…

【詩】「源氏物語─The sonnets 13」

「源氏物語─The sonnets13」 「明石、あるいはパラダイム、アルゴリズム」 源氏君廿七歳の春より廿八歳の秋迄の事と見えたり、 と、宣長『源氏物語年紀考』に曰く。 なを、雨やまず、神、雨静まらで日ごろになりぬ。 ひとのこころこそ 事件を起こさしめ 機長…

2024年のおせち

2024年あけましておめでとうございます。守りたい日本の伝統は、(歌舞伎ではなく(笑))やはり、おせちですね。黒豆、数の子、たつくりの三種ははずせません。かまぼこと伊達巻きは市販品で。器はその時代時代を反映して。