現象の奥へ

【詩】「闇と書物」

「闇と書物」

闇と書物。
それはボルヘスのテーマだった。
暗い岸に漕ぎ着けて、生い茂る蘆の中を進み、
やがて、神殿あとの廃墟に到り、
祈りを捧げたあと、
そのものは思い出すだろう。
おのれが闇であったことを。
そして書物は燃え尽きたことを。
難解さを抱きしめて
そのものは死ぬだろう。
それは、夢の時間。
アレクサンドリアでまた会おう。