現象の奥へ

Entries from 2024-03-01 to 1 month

再掲「誇り高き野良の肖像」

FB友さんと野良猫の話になり、この写真を思い出しました。私はこの猫に出会って、野良を尊敬するようになりました。自分で言うのもなんですが、なかなかよい写真です。「野良だと思ってバカにするな」と言っているかのようです。 「誇り高き野良の肖像」@福…

【詩】「愛されるためにそこにいる」

「愛されるためにそこにいる」男は父親と二人暮らし、女は……覚えていない。かなり忘れてしまったフランス映画だ。地味なダンス教室で出会った。どちらかの家に招待され食事をした。ダンスの難しい部分についての話になったテーブルに人差し指と中指を置いて…

「マラルメ、あるいは潮風」 「併し我々を詩から遠ざけているのは浪漫主義だけでなくて、もともとこれが退屈を紛らす手段であるならば、その原因になった生きることに対する退屈そのものの問題もあり、生きているということに就て迷うのと、生きるのをやめる…

【詩】「ヴァレリー、あるいは地中海」

「ヴァレリー、あるいは地中海」「詩がそうして我々に語り掛けて、何かを我々に伝えるのは、一般に言葉を使う時の例に洩れない。それは今日でもそうであって、例えばディラン・トオマスがロンドンの空襲で焼け死んだ女の子を悼んで作った詩は、事実、その死…

アドルノ『プリズメン──文化批判と社会』

テオドール・W・アドルノ『プリズメン─文化批判と社会』(渡辺祐邦・三原弟平訳、ちくま学芸文庫)有名な、「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である」という文章は、本書の「文化批判と社会」というエッセイのなかに含まれている。独立したアフォ…

『ブルターニュの光と風』展@豊橋市美術館

『ブルターニュの光と風』展@豊橋市美術館おもに19世紀のブルターニュ出身の画家たちの作品を集めた。なかの「有名人」は、ゴーギャン。タヒチに経つ前に一時滞在していた。ブルターニュは、地味ながら、それなりの画家たちのメッカだったようだ。荒々しい…

【色鉛筆画】「枯れていく白木蓮」

【色鉛筆画】「枯れていく白木蓮」

けふのNY TIMES WEEKLY, 2024. 3.10

けふのNY TIMES WEEKLY, Sunday March 10,2024(朝日新聞がデータをプリントして配達しているので、ほぼリアルタイム)【一面TOP】@ボゴタ、コロンビア。アニー・コレアル記者。「コロンビアは移民危機に直面している」「数千人のアフリカ人が、アメリカ…

アドルノ『文学ノート』

TH.W.アドルノ『文学ノート』(三光長治他訳、イザラ書房)「おのれ自身を理解していない思想だけが、本物である」「アウシュヴィッツのあとで、詩を書くのは野蛮である」 『ミニマ・モラリア』に見られる有名なフレーズである。小林秀雄は、柳田国男のよう…

ユルゲン・ハーバーマス『事実性と妥当性』

ユルゲン・ハーバーマス『事実性と妥当性』(河上倫逸・耳野健二訳、未来社刊)ハーバーマスの主著の第三期に位置する本書をなぜか亡霊の中から呼び戻し、このネット社会の混沌というより、さらにエントロピー化の進んだ世界で、どのように正しく思考すれば…

【詩】「瞳をとじて」

「瞳をとじて」ある女流作家が、Xで、自分の母の死を、「母の逝去」と書いていた。逝去とは、身分の高い人についていう言葉だ。ま、それはいいとして……ギー藤田なる映画監督とSNSで知り合った。冗談がおもしろく、どこか共通の趣味もあり、親しくなった…