現象の奥へ

Entries from 2022-11-01 to 1 month

【模写模写カメよ】ルノワール『レース帽子の少女』

【模写模写カメよ】ルノワール『レース帽子の少女』

【詩】「束の間の菫」

「束の間の菫」だれでも子供時代は思うみたいだ。生きているのは自分だけで、自分の見ていないところでは、世の中のひとは人形で止まっている。すばやく振り向くとまた動き出す。実際、止まっているところは見られない、仕組みになっている。そう、信じるこ…

【詩】「確定論」

「確定論」山吹の黄色と思いきや銀杏の黄色でもなく、名前の知らない黄色い葉をつけた木々に、雨の降る。わたしの名はしきぶときどきくる物忘れ名前が出てこない。わたしの上司の。それは鎌倉よりさらに古い時代。註解につぐ註解の、森。小少将どの、と、か…

【今井義行の最新作、「僕は、62才には、なるでしょう。」】

【今井義行の最新作、「僕は、62才には、なるでしょう。」】ダンテの『神曲』が書かれている言語は、ラテン語めいていながら、ラテン語に近い、中世期後期のイタリア語で、当時の庶民は誰でも読めた。そして、誰もが知っている聖書の地獄絵を言葉で描き、ひとび…

【松葉(く)寿司】

【松葉(く)寿司?】新しく「友だち」になった神田弘美さんて方が、「『ガーネット』というザッシに自分の作品が取り上げられている」とお書きになっていたので、つい、目の前にそのザッシがあったので、ぺらぺらめくっていると、(氏は北野丘という名前で…

【詩】「幽霊はどこにいる」

「幽霊はどこにいる」ひさびさ安部公房の戯曲、『幽霊はここにいる』をやるそうな、渋谷パルコ劇場で。安部公房+渋谷パルコ。に、いにしえの情熱の燃えかす、火のないところに煙はたたない。思い出おおき渋谷パルコ。あるときは、南沙織が、マネージャーら…

【詩】【創造者】

「創造者」物語は朽ち果て感情のそこここに棲みついた線虫のようなきれはし、は、なにも意味しない繭のなかでの変態は二週間の歳月を要し、それは宇宙にとって物語を立て直す時間だった。ゆけ! オデュッセウス!宇宙は未だネットを知らず、さいしょに筋肉。…

【詩】「創造者」

「創造者」物語は朽ち果て感情のそこここに棲みついた線虫のようなきれはし、は、なにも意味しない繭のなかでの変態は二週間の歳月を要し、それは宇宙にとって物語を立て直す時間だった。ゆけ! オデュッセウス!宇宙は未だネットを知らず、さいしょに筋肉。…

『パラレル・マザー』──本年度ベスト1(★★★★★)

『パラレル・マザー』(ペドロ・アルモドバル監督、原題『MADRES PARALELAS/PARALLEL MOTHERS』、2021年) 映画はもうオワコンと思ったが、それでも、ずっと見守ってきたアルモドバルだけは見ておこうと思ってでかけた。アルモドバルが凡庸な映画を撮るはず…

【詩】「カルヴィーノに捧げる赤い月」

「カルヴィーノに捧げる赤い月」織田信長が眺め、明智光秀がちらりと見た月食は、天王星ならぬ土星によって邪魔され、442年後、土星ならぬ天王星によって横切られることになった。こんや、それを、月の哲学を描いたカルヴィーノに捧げようと思うのだ。おりし…

【今井義行の最新詩】

【今井義行の最新詩】 かなり前から今井義行の詩の読者であったが、最近活動がないと思ったら、また、たいへんな目に遭って、「よみがえって」きて、その体験を作品にしている。すべては、そこに詳しく描かれているので、事情はすぐわかる。たいていの言葉は…

【詩】「ロシア」

「ロシア」井筒俊彦は、「ロシア的人間」で、紋切り型のヨーロッパ文学とは違う、ロシア文学の世界を示唆している。ワルター・ヴェンヤミンは、評論「物語作者」で、中央ロシアを舞台の、ニコライ・レスコフの作品を論じている。そして、ドストエフスキーで…