【リブログ】「宗教という名の毒薬」(20260623)(オリジナル20260405)
『ISRAEL’S WARS─A history since 1947』は、イスラエル軍部にいたが、嫌気がさし、ロンドンへ移住し、戦争学などを研究する学者となって、イスラエルを客観的に批判的に叙述するアーロン・ブレグマン氏の主著と言っていいものである。
パレスチナからの統治を終え、手を引いたイギリスに代わり、国家をうち立てるべく奮闘していくイスラエル。しかし、1977年に、右派への政治転換が起こり、現代まで続く。パレスチナは「すべて」われわれのものであるから、中東諸国民は出ていけ! レバノンもイランとの徹底交戦も辞さない、どこまでもやる、といった政治信条を掲げている。国内は、昔からの信条を守る人々と、どこまでも強行に戦う派と二分されている。
単に宗教といってみても、昔からの旧約聖書に端を発する素朴な信心と、どこまでも強硬になっていく派とに分かれている。イランに、革命防衛隊があれば、イスラエルにも似たようなものがあり、戦いの中心になっている。アメリカにも、福音派があり、日本韓国には、「統一教会」が「潜んで」いる。オウム真理教もあった。創価学会もそうである。これらは、それほど凶悪でなく、穏健な集団も、暴力や犯罪とは関係ない集団もあるだろう。しかし、何かを「信じ」、その信心を中心に活動する、ゆえに宗教なのである。
問題は、国家をも自由にしようとすることである。
フランスでは、laïcité(ライシテ)=政教分離が徹底されており、公立学校で、頭にスカーフをまとうことは禁止されていて、その禁止を守れという学校側の忠告に従わない場合は、退学処分になったりする。NHKのドキュメンタリーで、そういう生徒が泣いている場面をみて、ちょっと厳しすぎるかなー?と思ったりしたが、イスラエルなどの現状を知ると、陸続きに外国がある国々では、もしかしたら、そこまでする必要があるのかもしれない。
現在のネタニヤフ首相は、強硬な宗教一派に支えられ、本人も、そういう強硬な世界観(パレスチナはイスラエルのもの。よそ者(そちらの方が代々住んでいても)を追い出すのは当然だ)の信条をもとに政治を行っている。むしろ、政治=戦争といってもいいくらいである。
福音派に支配されるアメリカも、実は似たようなものである。
一方で、世界を動かす力として、「経済」がある。これと、「宗教」をどう整理するか。それが難題である。

