現象の奥へ

【詩】「確定論」

「確定論」

山吹の黄色
と思いきや
銀杏の黄色でもなく、
名前の知らない黄色い葉をつけた木々に、
雨の降る。
わたしの名はしきぶ
ときどきくる物忘れ
名前が出てこない。
わたしの上司の。
それは鎌倉よりさらに古い時代。
註解につぐ註解の、
森。
小少将どの、と、
からむ朝。