映画
「クーリエ」──カンバーバッチも堕ちたものだ(ドミニク・クック監督、2020年、原題『THE COURIER 』カンバーバッチを初めてスクリーンで見たのは、スパイものの『裏切りのサーカス』だった。そのときは、金髪で、ずいぶん珍しい顔だと思った。あれから、注…
『ラストタンゴ・イン・パリ 』──ゴダールにもトリュフォーにもなれなかった(★★) 『ラストタンゴ・イン・パリ』(ベルナルド・ベルトルッチ監督、1972年、原題『LAST TANGO IN PARIS/ULTIMO TANGO A PARIGI』) 昔テレビかなにかで見た記憶があるが、ちゃ…
『インティマシー/親密 』──あらゆる意味でほんもののセックス(★★★★★) 『インティマシー/親密 』(パトリス・シェロー監督、2000年、原題『INTIMACY』) お互いに名前さえ知らない男女が、週に一度、水曜に、男の住まいで、性交のみを繰り返す。まるで『…
ゴダールの『アルファヴィル』(1965年) 『ALPHAVILLE』(Jean-Luc Godard, 1965) 「続編」の、「新ドイツ零年」の方が有名だと思われる、もとになったフィルムだが、もともとハードボイルドスターの、エディー・コンスタンスが、地球外の星のアルファヴィ…
『オッペンハイマー』(クリストファー・ノーラン監督) ノーランの作品は、倒叙形式が新鮮だった、『メメント』をはじめ、『インソムニア』『ダークナイト』『インターステラー』『ダンケルク』など、ほとんど見ている。この監督は、映像的手法の天才スピル…
ビクトル・エリセ『瞳をとじて』──記憶とは動き続けるもの92年の『マルメロの陽光』で、ビクトル・エリセは、脚本を作らず、最低限の設定で、画家がマルメロの木と向き合い、描いていく様子を撮った。このとき、画家との了解以外、プロデューサーも決まって…