現象の奥へ

【詩】「昼顔」

「昼顔」

昼顔や魚荷過ぎたる浜の道 桃妖

 

なまぐさき郷愁もある炎天下

やがて咲きたる青い花昼顔科なれど

名前はアメリカンブルー

名前に似ず弱々しき茎と葉

あの日から何十億年経ちました。

海の水は涸れ、

人類はいるのかいないのか。

ただ記憶として牡丹がひかりをもらしてた。

どこから? 薄紙のうちから。

薄様に花包みある牡丹かな 子規

薄紙にひかりをもらす牡丹かな 急候

解説者柴田宵曲に反し、

「ひかりをもらす」という弱きことばにひかれる。