現象の奥へ

【詩】「被後見人が後見人になりたがる」

【詩】「被後見人が後見人になりたがる」

ハントケの無言劇。
高校生の時知った。
その後、ハントケノーベル賞を取った。いろいろの問題が取り沙汰された。
サッカーを見るたびに、
ハントケを思い出す。
「不安──ペナルティキックを前にしたゴールキーパーの」
ベケットにも無言劇がある。
役割を交代したがる人間を描くに、
無言劇でなければならない。
けれど、
「被後見人が後見人になりたがる」というのは、
台詞だけしかない、
シェークスピアのなかの台詞だ。
天の河紅葉を橋に渡せばやたなばたつめの秋をしも待つ