「お盆のエリオット」
テムズに浮かぶは、きわめて日本的な郷愁。
サンドイッチの包み紙やオーフィリアが抱えていたオダマキではない。
エリザベス朝のフローラよ
英国人の死を飾れ。
ナスの馬や蓮の葉、きびがら、祖母おさと婆さんの恋が最初の夫の位牌とともに流れていく。
「ぴりあけちゃーんち」
エリオットは鼻にかかった声が朗読する
なによりも文学であらねばならない。
アレゴリーや
ただの描写や
思想抜きの抽象的イメージで
あってはならない、
詩は。
エリオットの思いがテムズに降る
異国の異教徒に祝福あれ。