現象の奥へ

【詩】「泥と雨」

「泥と雨」
 
あれは
非在か混在か
記憶は泥の色をして
保育園を「卒業」したばかりの
森というにはあまりに小さい森を
くぐって
井上先生の家から祖母の家に
連れられていった、ちょうど
祖父が死んだので
その祖父はのちに祖母が再婚した相手で
血のつながった祖父ではないと知ったが
ボルヘスの空間では
りっぱな祖父孫で
その美しさは
金色の雨。