現象の奥へ

【詩】「案山子田稲穂(かかしだいなほ)、ウンガレッティのひばりを守れ!」

「案山子田稲穂(かかしだいなほ)、ウンガレッティのひばりを守れ!」

リルケの季節が来た。仲間には、ホルクハイマーやベンヤミン、ウンガレッティがいる。
エリオットは春の、雨のなかで泣いている。そこには、
リルケの国から来た風も吹いていた。
その壁、その壁を掘ってくれ。パリ市警の
シャルルが言った。わかってるサ、と、
ロンドン市警のジョン・キーツは答えた。ほかに、
難問解決友の会には、ニューヨーク市警、FBI、CIA、そして、
ロシア情報部がいた。どうしても
殺(や)っちまわなければならない、あいつを。
そんな会議に遅れて、案山子田(かかしだ)は、焼け落ちた
ノートルダム寺院にいて、FBIの捜査官チーフに、
壁ドンされていた。あははは……あの案山子田が。
案山子田に勝てるやつは誰もいない。
ミイラは壁の内部で時計を見た、エジプト方式の。