現象の奥へ

【詩】「少女(おとめ)」(『源氏物語21』)

「少女(おとめ)」(『源氏物語21』)


おとめ子も袖さびぬらしあまつ袖ふるき世の友よはひ経ぬれば

じかんのなかには何がある?

かがみのなかには何がある?

よるのなかには、よあけのなかには

きみは鏡に問い続け

問うことだけが勉強と

さらに

問いのなかにも問いを求める

そうしてひとは年老いて

かなし

Détruire, dit-elle.

これが原題。

「破壊しに、と彼女はいう」

それは訳者の日本語。