現象の奥へ

【詩】「さる文豪の死」

「さる文豪の死」
 
墓碑銘は玩亭墓秋のてふ
古びたる量子力学コロナ以後
ひがなヂヨイス追いたる秋のてふ
倫敦で本を買ひたる秋のてふ
発句重ね現代詩になるか秋のてふ
扇もてウインダミアの秋のてふ
余韻にてちようへん小説書き初むる
文豪も肉体なくし風邪ひかむ
勅撰集泣いているかな秋悲し
七十句超えてしまつた細田傳造
 
 
 

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