2021-06-05 【詩】「反復」 詩 「反復」 奥羽長途の行脚只かりそめに思ひたちて、 はて先人にこころを重ねることはできるか? 同じ景色を見同じ言葉を書き付けても こころは重ならず 滝の裏にまわりて 上梓までに五年をかける 日本海岸に先人のうたなく ゆえに病を決め込む 曾良は河合氏(かはひうぢ)にして、 のところで、われに河合しげなる 大叔母のいたのを思い出す 山下しげであったところが 河合に嫁ぎ 夫は戦争で死んだ かじさんなる男と親しくし それでも男女関係ではなく そのひとの連れ子 かじしげる をかわいがっていた。 われの初代ボーイフレンドなり。 暫時(しばらく)は滝に籠るや夏(げ)の初(はじめ)