「J.L.B v.s. J.L.G」
かたや、暗闇にまぎれ、密かに舟を漕ぎいれ、まだ癩病が流行っていない村に足を踏み入れる。
かたや、遠い過去の未来都市で、古びたSFを物語る。
かたや、火のなかに愛を見、
かたや、夥しいテクストに放尿する。
それでも、ふたりはひとりなのだ。
アレゴリーを破り捨て、
アルゴリズムを飲み干し、
どこへいく、あなたたちを、アリスが夢見ることをやめたとき。
かたや、忘却にのぞみを託し、
かたや、記憶を切り刻む。
どこへいく、あなたたちを、ドン・キホーテが見捨てたとき。
語りなおし、語りなおされる物語を、
性懲りもなく語るのみ。
ふたりはひとり。